畳の効能(天然素材・人工素材)
畳の効能といっても、現在の畳は様々な素材で構成されておりその使用している素材によって表れる効果も違うということができます。昔から使われているのが、畳床がワラ床・畳表が天然イ草です。それが近年になって人工素材の畳が数多く使われるようになってきました。その両パターンを説明する必要があるかと思います。
天然素材の畳の効能
【畳表】
畳表の原料であるイ草は植物であり、それを織機にかけて畳製品として仕上げられています。その天然素材の畳表には有害物質を吸着することがわかっています。二酸化窒素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの化学物質に対して吸着性があることが確かめられています。新品にした時の独特ないい香りや肌触りは天然植物であるからこそといえます。
【畳床】
稲ワラを積み重ねたものを圧縮して縫いつけたものがワラの畳床です。室内の湿度の調節機能、踏んだ時の弾力性、断熱効果などの優れた効能があります。ワラの畳床は普通の使い方をしていれば30年は持つと思われます。畳業界ではワラ床よりも下記に記述する化学床のほうが圧倒的に使用量は多くなってきました。その理由は化学床のほうが仕入れ価格は安い、ワラ床よりも軽いため作業が楽、化学床のほうが技術的を要さないという点と虫がつきにくいことが挙げられます。
ワラ床の欠点としては天然素材であるがゆえに虫が入り込みやすいということです。しかし、以前とは違い現在ではワラの畳床は製作段階で乾燥処理をされているため新畳の状態から虫が存在していることはありません。逆を返えせば人が住みやすいからこそ虫もよって来やすい場所だといえます。
人工素材の畳の効能
【畳表】
化学的に作られたものなので、変色はほとんどしません。しかも、色のバリエーションも豊富で選ぶことができます。それと、天然イ草と比べ耐久性が高いです。しかし、天然イ草のような香りはなく、自然製品の良さを得たい方はイ草畳表を選ばれることになります。人工素材の畳表はまだまだ使用量としては少ないです。
【畳床】
インシュレーションボードやポリスチレンフォームで構成された畳の芯材でワラを使用していないのが化学床です。ワラ床のような天然素材としての良さはありませんが、虫がつきにくく化学的に作られたものなので仕上がりがまっ平らになっています。化学床の耐久性は20年くらいです。